LWC : テスト駆動開発、Jest単体テスト、Chrome DevToolsを使った管理、結合テスト手法
開発工程とテスト駆動開発 (TDD)
LWC開発では、テスト駆動開発 (TDD)が推奨されています。TDDは、コードを書く前にまずテストを先に書く開発手法です。このサイクルを繰り返すことで、コードの品質と信頼性を高めます。
失敗するテストを書く: 実現したい機能の要件を満たす、ただし現在は失敗するテストケースを記述します。
最小限のコードを書く: テストをパスするだけの最小限のコードを実装します。
リファクタリングする: コードを整理し、より効率的で読みやすい形に改善します。
単体テスト
LWCの単体テストには、Salesforceが提供するJestフレームワークが主に使われます。Jestは、JavaScriptのコードをテストするためのツールで、LWCコンポーネントのロジックを独立して検証するのに最適です。
Jestを使った単体テストのポイント:
コンポーネントのインスタンス化:
createElement
を使ってLWCコンポーネントのインスタンスを作成します。DOMの操作:
document.body.appendChild()
を使ってコンポーネントを仮想DOMに追加し、レンダリングします。イベントの発火: コンポーネント内のボタンクリックや入力などのイベントをシミュレートし、その後の挙動を検証します。
モックの使用: 外部のAPIコールやApexクラスのメソッドなど、テスト対象外の依存関係をモック(代替オブジェクト)に置き換え、テストを分離します。
パフォーマンス管理とトラブルシューティング (Chrome DevTools)
Chromeの**開発者ツール (DevTools)**は、LWCのパフォーマンス分析やデバッグに不可欠なツールです。
パフォーマンス:
Performanceパネル: ページの読み込み、レンダリング、スクリプト実行にかかる時間を記録・分析できます。ボトルネックになっている処理を特定するのに役立ちます。
Lighthouse: パフォーマンス、アクセシビリティ、SEOなどを自動で監査し、改善点を提案してくれます。
一般的なトラブルシューティング:
Consoleパネル: JavaScriptのエラー、警告、ログメッセージを確認します。
console.log()
をコードに挿入することで、変数の値などをリアルタイムで確認できます。Elementsパネル: レンダリングされたHTMLとCSSをリアルタイムで確認・編集できます。コンポーネントのDOM構造やスタイルの問題を特定するのに便利です。
Sourcesパネル: JavaScriptのデバッグを行います。ブレークポイントを設定することで、コードの特定の行で実行を一時停止させ、変数の値を検査したり、ステップ実行したりできます。
Networkパネル: コンポーネントがサーバーと通信する際のリクエストとレスポンスを確認できます。Apexメソッドの呼び出しや、データの送受信に関する問題を特定するのに役立ちます。
結合テスト
結合テストは、複数のLWCコンポーネントや、LWCとApexクラス、外部サービスなどが連携して正しく動作するかを検証するテストです。単体テストが個々の機能を独立して検証するのに対し、結合テストはシステム全体としての挙動を確認します。
テスト環境:
Salesforce Sandbox: 開発者が利用するテスト用の本番環境のコピーです。
Staging環境: 本番環境に非常に近いテスト環境で、最終的な品質チェックに使用されます。
テスト手法:
Selenium / Playwright: ブラウザを自動で操作し、ユーザーの実際の操作をシミュレートするE2E (End-to-End)テストが一般的です。これにより、複数のコンポーネントが連携する複雑なシナリオを検証できます。
手動テスト: テストケースに従って、テスターが実際にブラウザで操作し、想定通りの結果が得られるかを確認します。
結合テストは、実際のビジネスプロセスに沿ったシナリオで実施することが重要です。これにより、システム全体の信頼性と安定性を確保します。
以下、Trail Headのモジュールです。
LWC単体テスト
Lightning Web Components Testing with Jest
LWCトラブルシューティング
Troubleshoot Lightning Web Components
LWCパフォーマンス トラブルシューティング
Performance Troubleshooting in Lightning Web Components
LWCネットワーク トラブルシューティング