Flosumとsalesforce DevOps Centerの比較

 FlosumとSalesforce DevOps Centerは、どちらもSalesforceの開発・リリースプロセスを効率化するためのDevOpsツールです。両者の主な違いは、機能の充実度プラットフォームへの統合度、そして提供形態にあります。

FlosumはSalesforceプラットフォーム上で稼働するサードパーティ製の有料ツールで、より高度で包括的なDevOps機能を提供します。一方、Salesforce DevOps Centerは、Salesforceが標準で提供する機能で、比較的シンプルで基本的なDevOpsプロセスをサポートします。


Flosumの特長とメリット

Flosumは、SalesforceのDevOpsに特化したプロフェッショナルなツールとして、以下の特徴を持っています。

  • 豊富な機能: バージョン管理、継続的インテグレーション/継続的デリバリー(CI/CD)、テスト自動化、ロールバック、コードレビューなど、DevOpsに必要な多くの機能を網羅しています。

  • 100% Salesforceネイティブ: Salesforceのプラットフォーム上で動作するため、Salesforceのメタデータや設定変更を直接管理でき、外部ツールとの連携の手間が少ないです。

  • 高い生産性: デプロイ時間の削減(最大72%)、開発者の生産性向上(最大36%)といった効果が公表されており、大規模な開発や複雑なリリースにも対応できます。

  • 堅牢なバージョン管理: 変更の追跡や管理が容易になり、複数の開発者が同時に作業する際の競合を検出し、解決する機能が優れています。

Salesforce DevOps Centerの特長とメリット

Salesforce DevOps Centerは、Salesforceの変更セットに代わる新しい標準機能として提供されています。その主なメリットは以下の通りです。

  • Salesforceによる提供: Salesforce自身が提供・サポートしているため、安心して利用できます。

  • 無料: Salesforceのライセンスに含まれているため、追加費用なしで利用できます。

  • 基本的な機能: Gitベースのバージョン管理とリリースパイプラインを提供し、チーム開発の効率化を図ることができます。変更セットよりも管理がしやすく、開発プロセスが可視化されます。

  • 使いやすさ: 開発者だけでなく、システム管理者や市民開発者も使いやすいシンプルなUIを目指して設計されています。

比較表

特徴FlosumSalesforce DevOps Center
提供形態有料のサードパーティ製品Salesforceの標準機能(無料)
機能高度で包括的(CI/CD、テスト自動化、ロールバックなど)基本的な機能(バージョン管理、パイプライン)
開発規模大規模、複雑なプロジェクト向き小規模から中規模のプロジェクト向き
プラットフォーム100% SalesforceネイティブSalesforceの標準機能として統合
主な利用者開発チーム、専任のDevOps担当者システム管理者、市民開発者、小規模チーム
コストライセンス費用が発生追加費用なし
サポートベンダー(Flosum)によるサポートSalesforceによるサポート

結論

Flosumは、高度な機能と包括的なDevOpsプロセスを求めている大規模な開発チームや、Salesforce開発を専門とする企業に適しています。複雑なリリース管理、自動化されたテスト、厳格なバージョン管理が必要な場合に、その真価を発揮します。

一方、Salesforce DevOps Centerは、変更セットからの移行を検討しているチームや、手軽にDevOpsの概念を導入したい小規模から中規模のチームに最適です。無料で利用でき、基本的なバージョン管理とパイプラインを構築できるため、DevOpsの第一歩として非常に有効です。

どちらを選ぶかは、チームの規模、開発の複雑さ、予算によって判断するとよいでしょう。